ゴミについてのコラム

プラスチックゴミの問題とは?影響や削減の取り組みについて

プラスチックごみが引き起こす問題とは

私たちの生活から排出されるプラスチックごみは様々な問題を引き起こしています。具体的には、以下のようなことです。

  • プラスチックを燃やすと温室効果ガスが発生し、地球温暖化につながる
  • プラスチックは石油資源を原料としているため、プラスチックを製造し続けると石油が枯渇してしまう
  • 大量のプラスチックごみが海に流れ、海を汚染している

上記の中でも特に注目されているのが、プラスチックごみが海に流出し、海を汚染していることです。

世界では年間およそ800万トンのプラスチックが海に捨てられており、2050年には海にいる魚の重量よりプラスチックの重量の方が重くなると言われています。

海にプラスチックごみが流されるのは、一見私たちに関係ないように感じますがそんなことはありません。海に流されたプラスチックごみは外からの衝撃でどんどん細かくなり、大きさが5ミリ以下になったものはマイクロプラスチックを呼ばれます。

このマイクロプラスチックを小さな魚が食べてしまい、さらにその魚を大きな魚が食べてしまうと、マイクロプラスチックに含まれる有害物質が大きな魚に蓄積されてしまいます。

当然、その大きな魚を食べてしまうと、プラスチックに含まれていた有害物質が人間の体内にも入ってしまうことになるのです。その結果、私たちの健康を脅かす可能性があります。

プラスチックで問題が起こる理由

プラスチックは加工がしやすく、耐久性が高いです。しかし、それ故に自然に分解されないという特徴を持っています。

例えば、生ごみであれば、放置したとしても自然に分解されます。しかし、プラスチックの場合は、削れたり損傷したりして小さくなることはあっても、完全になくなることはありません。

そのため、リサイクルされずに海に流されてしまうと、そのまま残り続けてしまいます。

世界で始まっているプラスチックゴミ問題への取り組み

ここでは、日本と世界で行われているプラスチックごみ問題への取り組みを紹介します。

日本で行われている取り組み

日本で行われている取り組みは以下の通りです。

◇プラスチック資源循環戦略

2018年6月19日の「第四次循環型社会形成推進基本計画」で策定されました。

廃プラスチックの有効利用率の低さや海洋プラスチックごみ問題などを背景に、3R+Renewableを基本原則として、プラスチックの資源循環を総合的に推進する戦略がまとめられています。

具体的な戦略は以下の通りです。

  • 石油由来プラスチックの代替品を開発・利用を促進する
  • プラスチック資源をわかりやすく効果的に分別回収する
  • 可燃ごみ指定袋にバイオプラスチックを使用する
  • 海岸漂着物の回収や処理を行う

◇海洋プラスチックごみ対策アクションプラン

2019年5月の「海洋プラスチックごみ対策の推進に関する関係閣僚会議」で策定されました。

プラスチックごみの海への流出に対して、日本が取り組む対策を示したものです。具体的な対策・取り組み例は以下の通りです。

  • 国内の廃プラスチックを適正に処理し、リサイクル施設の整備を支援する
  • ポイ捨て防止のため、清涼飲料団体による専用リサイクルボックスを設置する
  • 「海ごみゼロウィーク」を開始し、全国で一斉に清掃を行う
  • 漁業者が行う海洋ごみの回収・処理を支援する
  • プラスチックに代わる素材の生産設備を整備する

世界で行われている取り組み

海外では、日本よりも早くプラスチック問題に取り組んでいる国も多いです。例えば、EUでは「EUプラスチック戦略」が行われており、全面的にプラスチックごみを削減する流れになっています。

この戦略では、2030年までにEU全域ですべてのプラスチック製の容器や包装材をリサイクル可能にすることを掲げています。

アメリカでは、日本と同様にレジ袋が有料化されていたり、レジ袋の使用自体が禁止されていたりする州もあります。

また、アメリカのスーパーは野菜や果物が剥き出しの状態で陳列されていますが、それらを入れる袋も紙袋に変わってきています。

各家庭でも!私たちにできること

プラスチックごみを減らすことは各家庭でもできます。具体的には、以下のようなことです。

  • 買い物ではレジ袋を購入せず、マイバッグを使う
  • 洗剤やシャンプーはボトルを毎回買わず、中身だけを詰め替える
  • ペットボトルを買わず、マイボトルを持ち歩く
  • 外でプラスチックごみを見つけたら、拾ってごみ箱に捨てる
  • 海や街で行われているごみ拾いのボランティアに参加する

こうした一人一人の小さな取り組みがプラスチックごみを減らすことにつながります。他人事だと思わず、できることから少しずつやっていきましょう。

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